子どものやる気スイッチと啐啄同時 |

小3の男の子に突然やる気スイッチが入りました。
彼は2年間、硬筆だけをやっていましたが、3年生になって学校でも習字の授業が始まったので習字教室でも筆をやることにしました。
彼の手をもって「一」の字を書かせた後、こんどは起筆だけ手伝って、あとは自分で書いてごらんというと、筆先を左斜め上に固定させたまま最後まで運筆できたのです(これはなかなかできることではありません)。私は思わず「〇〇くん、習字の才能あるよ!」とちょっと低い声で言いました。彼の反応もこれまでとはちょっと違っていて小さな声で「はい」と言いました。
私が自分の席に戻り、ちょっと離れたところから彼を見ていると、その筆を持った姿勢があまりにも美しいので、「〇〇くん、姿勢もいいね。筆の持ち方と姿勢を見たら、それだけでその人がうまいかどうかわかるんよ」と声をかけましたが、彼は私の言葉には反応せず、黙々と筆を動かしていました。
こんな状態がひと月以上続いています。
途中ちょっと気が散って、席を離れる時間もありますが、それはごく短い時間で、またすぐ席にもどり、静かに練習に励みます。
実は、毛筆は「道具の準備が面倒くさい」とか「道具は学校に忘れた」といって3年生になってもなかなかスタートできなかったのですが、お母さんから習字教室用に新たに道具を1セット買ってもらい、ようやくスタートの準備が整ったのでした。
このクラスには、もう一人、更に上のレベルのやる気スイッチが入った生徒がいます。
教室に入り、雰囲気に慣れてきて、欠席が少なく、少しずつ上達してきた生徒には級の取得を勧めますが強制的ではありません。これまで何度か級の取得を勧めてきたRくんですが、教室に入って3年目にして、今月、自分から「級を取りたい」と言ってきました。こちらも当然指導(要求)には厳しさが増します。
「級を取りたい」を口に出してからのRくんは、教えたことに対しての吸収の度合いが違ってきています。